熊猫的新聞(パンダニュース)
~飼育係レポート~
第10回 中途半端は嫌い 2011/06/24
タケノコが大好きな2頭。「熊猫的新聞(パンダニュース)──第8回」で2メートルのタケノコを平らげるようすを紹介しました。
・「熊猫的新聞(パンダニュース)──第8回 大好物のはず・・」
では、どこまで好んで食べるのか? すでに鞘が取れ10メートルくらいになり、枝が出ようとしているモウソウチクは、もうタケノコとは言いませんね。しかし、幹の部分はまだ柔らかく、包丁で割くことができます。カリカリの硬いタケよりは美味しそう!!
早速2頭に与えてみると……あれあれ? 2頭とも臭いを嗅いだだけで食べません。そのまま一晩置いておいても食べませんでした。再度挑戦しましたが、出始めた枝の部分だけ食べて柔らかい幹の部分は食べません。
柔らかくて美味しそうと思うのは私たち飼育係の感覚であって、パンダは人とはちょっと違う感性を持っているようです。タケノコや成長して硬くなった幹は好きですが、中途半端に柔らかいのは嫌いみたいです。その後何回与えてみても、2頭とも結果は同じでした。
モウソウチクのタケノコの季節は終わり、今はナリヒラタケやマダケのタケノコが出てきています。この2種類のタケは上野動物園の中にも自生しているので、ときどき飼育係が堀ってきて与えています。この2種類も中途半端に柔らかいのは嫌いなのか? 後日タケノコが育ったら試してみたいところです。
◎いつも食欲旺盛な2頭
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オスのリーリー(上) | メスのシンシン(下) |
〔上野動物園東園飼育展示係 倉持浩〕
(2011年06月24日)