熊猫的新聞(パンダニュース)
~飼育係レポート~
第8回 大好物のはず・・・ 2011.5.21
少し前から八百屋さんやスーパーではタケノコが販売されています。ジャイアントパンダもタケノコが大好きです。上野動物園のジャイアントパンダにも2011年5月3日からタケノコの給餌を始めました。
ヒトの食用タケノコはあまり育ってしまうと苦くて食べられませんよね。
ジャイアントパンダはタケの葉っぱだけでなく、硬い幹も食べてしまいます。そこでパンダにはヒト用より少し大きめのタケノコを用意しています。太さ30センチメートル、長さ50センチメートルほどのタケノコを手にした2頭は、最初その大きさに少し戸惑ったようで、どのようにもって、どこから齧り付いたらよいのかと、四苦八苦しているようすでした。
ところが、2回目、3回目と与えていくうちに、タケノコを両前足あるいは後足まで使って器用に食べられるようになっていきました。
食べ方も2頭それぞれで、根元から先に向かって食べていくオスのリーリー、半分に割ってまずは先の部分から食べるメスのシンシン。どちらもおいしそうに食べます。
では、どこまで大きなタケノコを食べることができるか? パンダ舎裏に生えてきたタケノコで実験してみることに。直径25センチ、長さ約2メートル、これをタケノコと呼んでよいのだろうか?というような大きさのものを、まずは四肢を巧みに使いタケノコを操るメスのシンシンに与えてみました。
シンシンは、2メートルのタケノコの臭いを何度も嗅いだあと、タケノコであると確認できたのでしょう。体全体を使って器用にお腹の上にタケノコをのせ、四肢で安定させて、先から40センチくらいのところにかぶりつきました。このとき、観察していた飼育係から「オー!!」という感心した歓声が上がりました。しかし、次の瞬間に発せられた言葉は「あれっ??」。なんと食べることをあきらめて、横に添えてあるタケの幹を食べ始めたのでした。
その後、放置された残りのタケノコは、結局夜になって再チャレンジのすえ完食されました。
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メスのシンシン |
一方オスのリーリーは、タケノコの大きさに関係なく、根元からボリボリ!2メートルをあっという間に食べてしまいました。
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オスのリーリー |
〔上野動物園東園飼育展示係 倉持浩〕
(2011年05月21日)