ジャイアントパンダ「シンシン」出産その後[7]体重600グラムを超えました
【2017/7/4】
2017年6月12日に生まれたジャイアントパンダの子、そして母親「シンシン」。7月2日の午前10時54分から11時9分の15分間、第4回の身体測定を実施しました。前回6月22日の身体測定で283.9グラムだった体重は607.9グラムに。体長は17.6センチから23.4センチに成長しました。
子は見た目にも成長し、目の回り、耳、肩から前足、後ろ足などの灰色がかって見える部分は黒い色がさらにはっきりとしてきました。また、毛も徐々に長くなってきたようです。
子は最近、腹部を上にした姿勢をとることが増えました。
子の右にあるのはシンシンの右下の乳首
(2017年7月1日撮影)
子を抱いて授乳したり、舐めて排泄をうながしたり、シンシンによる育児は順調です。子が乳首に吸い付いている時間は1〜10分程度、頻度は1日に10回くらいです。2対あるシンシンの乳首のうち、これまでずっと子は右上を吸っていましたが、この1週間で右下の乳首にも吸い付くようになりました。
【動画】身体検査中の子。すやすやと眠っている
(2017年7月2日撮影))
7月2日、シンシンがタケノコを食べている際にスタッフが子を取り上げ、保育器の中で身体検査をしました。検査結果のとおり、順調に育っています。目の周りや前足・後ろ足、そして肩から背中への帯も、地肌が黒く見えているだけだったのが、黒い部分は黒い毛が、白い部分は白い毛が生え、密度が高まっているようです。口の両端あたりも少し黒く見えます。
前足の爪もしっかり見えるようになり、子を保育器の中で持ち上げる際に爪がシーツにひっかかるようになりました。まぶたが「すじ状」に見えますが、一般的に目が開くのは40日齢くらいと言われています(7月2日の身体検査は20日齢)。また、口の中を確認しましたが、まだ歯は認められませんでした。歯は一般に80日齢の頃に生えてくるようです。
子には傷などもなく、母親がしっかりと世話をしていることがわかります。また、今回、身体検査のために取り上げるときに子は鳴き声をあげることもせず、母親に戻したときに鳴いただけでした。子の成長ぶりは「標準的」、経過は順調です。母子の状態も安定しています。
【動画】差し出されたタケを食べるシンシン。子を右前足で抱えている
(2017年7月2日撮影)
子の世話をしているところにえさとなるタケなどを差し出すと、シンシンは受け取って食べることもありますし、えさを受け取らずに子の世話を続けることもあります。シンシンにはタケやササのほか、タケノコも1日3キロ前後を与えています。このほかに「パンダだんご」を1日100グラムくらい、また、ニンジンも少し給餌しています。水は1リットル以上を飲んでいます。糞量は5キロ前後(通常は20キロ程度)。
なお、7月3日はシンシンの誕生日。満12歳をむかえました。いつもは特製ケーキなどをプレゼントしていますが、今年は現在子育て中。特製ケーキはないものの、飼育係からシンシンにねぎらいの言葉をかけたそうです。職員は現在も24時間態勢で保育作業や観察を継続中です。
※文中の「タケノコ」は人間が食用とするようなタケノコではありませんが、葉が出ておらず、育ちきっていない生長段階のタケ類です。
(2017年07月04日)