熊猫的新聞(パンダニュース)
~飼育係レポート~
第7回 猫をかぶったクマ? 2011.4.29
2頭のジャイアントパンダにとってはこの2か月間に、来日、震災、繁殖シーズン、公開といろいろありましたが、常にマイペースです。ときどき何かに驚いて屋外運動場や部屋中を走り回って、飼育係の気をもませることもありますが、むしろ飼育担当者の方が落ち着かない日々を送っていたような気がします。
来園前いつの頃からか、2頭についてイケメンと美女とか、オスは神経質で人見知り、メスはおおらかで人懐っこいといった前評判が流れました。
2011年2月21日の来園時も「メスはぐっすり、オスはピリピリ」という見出しが多くの紙面で見られました。たしかに来園当初の印象はそうだったかもしれませんが、最近ちょっと違うかな? と思って2頭を見ています。
まずはメスについてですが、おおらかで人懐っこい、言い換えるとまだまだ子どもっぽいといった感じです。好奇心旺盛で怖いもの知らず、おてんばな性格というのが最近の印象です。来園当初落ち着きがないのはオスの方でしたが、最近ふとしたことで落ち着きを失うのはむしろメスの方です。
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おてんばなメスのシンシン |
一方のオスは、神経質というよりはとても慎重な感じです。確実に石橋を叩いて渡るタイプです。そのため、初めての体験に対して、すべてようすをうかがうところが、人見知りで神経質に見られるのでしょう。順応性には非常に長けていて、環境に慣れるのも早いですし、心を許すととても人懐っこい性格です。
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オスのリーリー(何か確認中?) |
大熊猫だけに猫をかぶったクマなのか(?)、まだまだ秘めた能力をもっているように思えます。成長とともにこれからどんな一面を出してくれるのか、非常に楽しみです。
〔上野動物園東園飼育展示係 倉持浩〕
(2011年04月29日)