熊猫的新聞(パンダニュース)
~飼育係レポート~
第6回 餌を与えるのも一苦労 2011.4.22
2011年4月1日の再開園から、上野動物園も日常を取り戻しつつあります。毎日多くの来園者の方にジャイアントパンダ2頭の元気な姿を見ていただいています。
2頭はとても活発で、開園時間中は起きてタケを食べていることが多いのですが、たまたま寝ているときにご覧になった方には、ご愛敬ということでお許しいただきたいと思います。寝姿もいろいろなので結構楽しめるのですが、やはり動いているところをという方には、比較的よく動いている開園直後の時間帯をおすすめします。
以前パンダを飼育しているときは、午前9時30分と午後3時30分の2回、タケを交換しおやつを与えていました。しかし、今回の2頭はタケをたくさん食べるので交換回数も2回というわけにはいきません。少ない量を何回にも分けて与えるのが理想で、時間は決めていません。
現在はだいたい1時間半から2時間間隔でタケとおやつを与えています。この方法によってパンダのペースにあわせるとともに、常に鮮度のよいタケを与えることができます。
しかし、展示中に餌を与えるこの作業には苦労しています。タケなどを追加する際、飼育係とジャイアントパンダが同居することはありません。まずパンダを別の部屋に移動させてから給餌作業に入ります。室内で与える場合は、パンダを見られる状態のまま作業することができますが、問題は屋外です。
これまで屋外で餌を複数回与えることは想定していませんでした。朝、外に餌を設置したら、あとは午後3時30分の室内収容まではそのままでした。今回は苦肉の策として、運動場の仕切られた通路でおやつを与えている間に運動場にタケを付け足すことにしました。
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仕切り通路で作業終了を待つ2頭(上) | タケを追加している(下) |
問題は、屋外運動場で展示している場合、給餌作業の約10分間パンダが見られなくなることです。展示している間に1回か2回このような作業があり、来園者のみなさんにはお待ちいただくことになりますが、ご理解いただきたいと思います。
いろいろ戸惑うことばかりの飼育係とは対照的に、2頭のパンダは、中国とは違う新しい環境に驚くほどの順応性を見せてくれています。
〔上野動物園東園飼育展示係 倉持浩〕
(2011年04月22日)