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【近況更新】シャンシャンの中国返還について──無事に到着しました

【2023/3/27】

 2023年3月27日追記:中国ジャイアントパンダ保護研究センターから、シャンシャンの情報を得ることができました。

 

 2023年2月21日に、ジャイアントパンダの「シャンシャン」(メス)を中国ジャイアントパンダ保護研究センター雅安碧峰峡基地へ無事返還することができました。

 

 シャンシャンが経験した検疫や輸送については別の機会にあらためてお伝えするとして、今回は返還の経緯を簡単にご報告いたします。

 

 シャンシャンの返還は、東京都と中国野生動物保護協会とのあいだに交わされた協定書(「中国野生動物保護協会と日本国東京都とのジャイアントパンダ保護研究実施の協力協定書」)に基づきおこなわれました。当初シャンシャンの返還期限は2020年12月末のはずでしたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大にともない、専門家の渡航ができなくなり、飛行機も飛ばずに輸送する手段がなくなるなど、返還が困難になりました。そこから約2年間は、中国野生動物保護協会と東京都で返還に向けた協議を続けてきましたが、結果的に今回の返還までに合計5回の延期を余儀なくされました。

 

 3歳で返還されるはずだったシャンシャンは、5歳となり繁殖が可能な年齢のジャイアントパンダになりました。今後シャンシャンには、ジャイアントパンダの次世代を担う1頭として、中国での繁殖計画に沿った飼育管理がおこなわれていきます。次回シャンシャンに出会うときは、一皮も二皮もむけて立派にたくましく育ったジャイアントパンダになっていることを信じて、今は応援したいと思います。

 

輸送中のシャンシャン

 

 シャンシャンが検疫を受けている雅安碧峰峡基地は、四川省雅安市の山間にある自然豊かな場所です。広大な敷地(約70ha)のなかには、山の傾斜を利用してつくられた飼育スペースがいくつもあり、64頭のジャイアントパンダがのびのびとくらしています。シャンシャンもこの地で徐々に中国のえさや飼育環境に慣れていくことでしょう。

 

自然豊かな飼育スペース

 

 今回、シャンシャンの返還に際して、一部の方から中国でうまくくらしていけるのか不安だという声を聞きました。

 

 でも、ご安心ください。中国へ同行した2名は、シャンシャンの性格やえさなどの飼育情報をしっかりと雅安碧峰峡基地の職員たちと共有してきました。また、基地の職員からは、責任をもってシャンシャンを飼育管理していくと力強い言葉を聞くことができました。

 

雅安碧峰峡基地の職員との打合せ

 

 これからも中国ジャイアントパンダ保護研究センターと連絡を取り合いながらシャンシャンの成長を見守るとともに、シャンシャンの飼育管理で得られた経験を、「シャオシャオ」と「レイレイ」の飼育管理やその次の子たちへ生かしていきたいと思います。

 

〔上野動物園西園飼育展示係 齋藤圭史〕

 

 

2023年3月19日追記:シャンシャンの近況について

 3月15日、中国ジャイアントパンダ保護研究センターから、シャンシャンの情報を得ることができました。

 

 シャンシャンの食欲は回復してきており、大きな問題はないとのことです。毎日タケ5~6kg、タケノコ8kg、団子800g、リンゴ2個を食べており、検疫施設内の屋外運動場も使用し始めたそうです。きっと、雅安の山の空気を満喫していると思います。

 

 検疫終了の時期やその後の飼育場所はまだ確定していないそうです。しばらくは、雅安でくらすのかもしれません。

 

〔上野動物園教育普及係〕

 

 

2023年3月27日追記:シャンシャンの近況について

 3月21日に、中国ジャイアントパンダ保護研究センターの公式微博(Weibo)に、近況報告が掲載されました。

 

 現地の担当者に確認したところ「3月22日に検疫は終了しますが、十分に慣れるまで、雅安基地の検疫場所でもうしばらくくらす」ということでした。

 

 検疫場所にある屋外の運動場ですごす写真をいただきました。元気にくらすシャンシャンのようすをご覧ください。

 

 

 

中国ジャイアントパンダ保護研究センターでのシャンシャンのようす
(3枚とも提供:中国ジャイアントパンダ保護研究センター)

 

〔上野動物園教育普及係〕

 

(2023年03月06日)

(2023年03月19日:近況について更新)

(2023年03月27日:近況について更新)

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