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熊猫的新聞(パンダニュース)~飼育係レポート~

熊猫的新聞(パンダニュース)
~飼育係レポート~

ジャイアントパンダのお正月 2014/1/31

 寒さも一段と厳しくなるこの季節も、子どもたちにとってはクリスマスプレゼントやお年玉など何かと嬉しいことが多い冬休みだったと思います。

 上野動物園にも、2013年12月29日から2014年1月1日までの4日間、短い冬休みがありました。大掃除などをしながら飼育係も2頭のジャイアントパンダもちょっとのんびりとした冬休みを過ごしました。

 そして新年、リーリー(オス)とシンシン(メス)がくらすパンダ舎でも、飼育係から2頭に新年の門松、鏡餅、お年玉を贈りました。

 中国では旧正月を盛大に祝うのが一般的ですが、日本での正月が3回目の2頭も、お供え物やお年玉をもらうのは初めてです。

 門松は、園内各所の門松を製作した施設係とパンダ飼育係とで、タケや松やワラなどパンダが食べることを前提に天然素材を使って共同で作り、2頭それぞれの室内展示場に団子で作った鏡餅と一緒に置きました。

 運動場に出た2頭は、まずは団子の匂いに誘われ鏡餅へ。リーリーは上に乗ったニンジンを口先でつまみ上げパクリ! シンシンもまずは鏡餅に夢中。

 そして食べ終わると2頭とも鏡餅の両サイドに置いてある門松を不思議そうに眺め、とりあえず手に取ってみました。手足や口を使って分解しタケを取り出してはみましたが、お気に召さなかったようで食べることなく足元へコロコロと放り出してしまいました。年末に作製したのでタケの鮮度が落ちてしまい美味しくなかったようです。その後はそばにある新鮮なタケを食べることに夢中でした。

 夕方にはお年玉の入ったぽち袋に見立てた麻袋を、いつもの筋力トレーニングの方法で2頭に与えました。「お年玉」と書かれた麻袋には、リンゴとパンダ団子が入っています。これを上から吊るし、パンダを後肢だけで立たせて取らせるというものです。

 いつものトレーニングの要領で上を見上げると、興味津々で大きな袋をしっかりキャッチしましたが、リンゴや団子の匂いはするのに袋の中からなかなか探し出せません。年末のクリスマスプレゼントのときのように、麻袋を頭上で振り回してくれることを期待したのですがすぐに諦め、隣の部屋に用意しておいた新鮮なタケのほうに2頭とも関心を移してしまいました。

 しばらくして、シンシンは再びお年玉袋を手に取りリンゴと団子を取り出すことに成功しましたが、リーリーは隣のタケをなかなか食べさせてもらえないことに苛立ち、結局お年玉を取り出すことができませんでした。

 たくさんの来園者に見守っていただくなか頭上から降りてきた「お年玉」には大歓声をいただきましたが、結果はイマイチ……今年もパンダに一喜一憂、どんな1年になるか乞うご期待!!です。

 ちなみにお年玉を取り出せなかったリーリーには、飼育係が袋から中身を出して渡してやりました。

※お年玉をもらったシンシンのようすをパンダムービーで紹介しています。

ジャイアントパンダのお正月

写真上:リーリー(オス)、鏡餅をパクリ!
写真下左:門松に興味津々のシンシン(メス)
写真下右:門松は分解されました

〔上野動物園東園飼育展示係 倉持浩〕

(2014年1月31日)

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